COLUMNコラム

家を包んで守る隠れた存在 透湿防水シートのタイベックシルバー2020.09.14

こんにちは!トモノです。

今回は “透湿防水シート” についてのお話です。

 

現代の住宅建築において重要な役割を果たすひとつの部材をご存知ですか?それは家の中の水蒸気を外へ逃がし、外からの水分は侵入させないという素晴らしい役割を果たす、透湿防水シート。

聞きなれない部材かもしれませんが実は現代の高性能な家づくりにおいて、断熱材・サッシにも負けず劣らずの重要部材です。

 

この透湿防水シートにはさまざまな商品がありますが、トモノではデュポン社のタイベックシルバーを採用しています。

 

 

 

1990年代から使用され始めた透湿防水シート

 

建築においてとても重要な役割を担っている透湿防水シートですが、その歴史は浅く日本においては北海道を中心に1980年代から使用され始め、全国的には1990年代から使用されています。

 

~引用~

従来、木造住宅の外壁の防水シートとしては、アスファルトルーフィングフェルト等が使用されていました。しかし、住宅の断熱化に伴い、室内で発生した湿気が壁体内に滞留し壁の中で結露が起こる壁体内結露が問題視されるようになってきました。

 

 そこで1980年代になり、外壁材と断熱材の間に通気層を設け、壁体内に侵入した湿気を通気層を通して外部に放出する通気層工法が北海道を中心として普及し、建物外部からの雨水の浸入を防止する防水性と壁体内に生じる湿気を外部に逃がす透湿性を兼ね備えた透湿防水シートが使用されるようになりました。

1990年代になってからは全国的に使用されるようになりました。

出典:日本透湿防水シート協会

 

高い気密断熱の性能値を誇り、外壁通気工法を採用するスーパーウォール工法の場合においても、透湿防水シートの採用は不可欠であり、皆様の生活を日々守ってくれる重要な部材となります。

 

透湿防水シートは水を通さず水蒸気は通過させる優れもの

 

高性能化を続ける現代の住宅設計では重要部材である透湿防水シートですが、水は通さない(防水)けれども、水蒸気は通過できる(透湿)、この二つの相反する性能がなぜ実現できてしまうのか?と疑問を持つ人も多くいると思います。

 

答えは「穴の大きさ」にあります。

 

出典:日本透湿防水シート協会

 

透湿防水シートを顕微鏡で拡大してみると、不織布タイプ・フィルムタイプ共に表面は多孔(無数に穴が開いている)の状態であることがわかります。

 

この穴の径が水分は通さず、水蒸気は通す大きさの為、正に名前の通り透湿・防水できるというメカニズムとなっています。

 

出典:日本透湿防水シート協会

弊社の住宅建築の基本的な考え方として、後から変えられないものにお金をかける。という基本的なコンセプトがあります。

 

構造躯体

基礎

断熱材

サッシ

 

などは、建築後のリフォーム・リノベーションなどで性能の良いモノに変えようとすると、新築時に採用した時よりもとてもお金がかかってしまいます。

この透湿防水シートも後から変えるのは非常に難しい部材のため、新築時に考えられる最高峰のモノを採用しておいたほうが良い。と私たちは考えております。

 

トモノでは数ある透湿防水シートの中からタイベックシルバーを採用しています。

 

トモノでは数ある透湿防水シートの中からタイベックシルバーを採用しています。

 

タイベックはアメリカのデュポン社が独自開発した高密度ポリエチレン不織布です。米国 デュポン社が開発したこの独自の構造により、優れた透湿・防水性能を有し、抜群の強度と耐久性能を保持することが可能になりました。

 

 さらに私達がタイベックシルバーを採用している大きな理由として、

 

1 タイベックは高い防水性、透湿性を併せ持ちながら劣化等に対しての保証が長い。
2 蒸着させているアルミニウム泊によって遮熱効果も持っている。

 

2つがあります。

 

まず、一つ目として

 

タイベックシルバーは透湿防水シートの中では最長の20年保証がされております。他の商品の多くが10年保証となっている中、2倍の保証期間を設けているのは、その性能に対しての自信の表れだと考えています。

 

出典:デュポン

 

試験おいては50年相当耐久性試験においても防水性能の劣化は見られておりません。

 

トモノでは、建築時の高性能化と合わせ、お住まいになったあとの長い期間においても性能が担保されていることが重要と考えています。

弊社の家づくりの理念から考えても、長期間の保証や劣化しない素材は理念と合致しているため、タイベックシルバーを採用しています。

 

 

二つ目の理由としては、他の透湿防水シートには無い遮熱効果を得られるからです。

 

近年、夏の暑さが問題となってきており、そこで登場したのがタイベックシルバーです。タイベックシルバーはベースとなるタイベックシートに更にアルミを蒸着させ繊維そのものにアルミの酸化を防ぐための抗酸化樹脂コーティングを施したシートです。イメージとしては多くのアイスの包装で採用されている袋を見ていただくとイメージしやすいのですが、内側がシルバーの包装が多いと思います。これはアイスが溶けないように遮熱効果を袋に持たせているからです。同じようにタイベックシルバーは高い防水性と内部からの透湿性を見ちながら、高い遮熱性能も兼ね備えたシートとなります。

 

~引用~

アルミニウムは、高い赤外線反射率を持ち、熱の放射を抑える特徴があります。この特徴を活かしたタイベック®シルバーは、赤外線反射率約85%=赤外線放射率約15%という、高い遮熱性を有しています。夏は屋外(外装材)からの輻射熱(赤外線)を反射し室内を涼しく、冬は屋外への熱の放射を抑え室内を暖かく保ちます。

 

出典:デュポン

 

透湿防水シート自体は今や建築上なくてはならない部材となっています。であれば、+αで遮熱の効果も得ることができるタイベックシルバーをと考えています。

 

※注意点としては、タイベックシルバー自体には遮熱の効果は期待できても断熱の効果はありません。

住居内の温度に対しての大きな要素は、設計上での日差しの検討や、高い断熱性と気密性能が重要となります。弊社ではスーパーウォール工法を用いて断熱性を表すUA値は概ね0.4/㎡・K以下、気密性を表すC値は0.5/㎡以下を実現しています。

(UA値もC値も数値が少ないほうが単一指標としては高性能と表現できます。)

 

上記の性能値をクリアした上で更に快適な暮らしを実現するために遮熱も考慮しています。

 

高気密高断熱住宅を建築されるのであれば、透湿防水シートはタイベックシルバーを検討されてみてはいかがでしょうか。