COLUMNコラム

暮らしに合わせた収納2023.01.26

こんにちは。

ミライエ建築工房の米山です。

 

今回は、「収納」についてです。

 

お家を建てるなら、「収納」はいっぱい欲しい!

と考える方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、「収納」はあるに越したことがない、

大切な場所であることは間違いありません。

 

しかし、実際のところは・・と言うと、

ただ単に収納を増やしても、

それに比例して収納力が上がるわけでも、

片付けやすくなるわけでもないのです。

 

それどころか面積が大きくなった分、

コストが上がってしまうことになるので、

コストを増やさずに収納を増やす方法を

お伝えしたいと思います。

 

 

「床面積=収納量」ではない

 

収納を考える上でまず知っていただきたいことは、

収納の床面積を増やしたからといって、

収納量がアップするわけではない

ということです。

 

例えば、幅も奥行きも

それぞれ91cmの収納と

幅が2倍で奥行きが半分の収納は、

いずれも半帖という広さになりますが、

収納力や使い勝手は同じなのでしょうか?

 

この2つの収納は、

床面積は同じであるものの、

前者よりも後者の方が、

圧倒的にたくさんの物を

収納しておくことができます。

なぜでしょう。

 

では、その理由を考えてみましょう。

まず、前者の場合、

奥行きが78cmもあるのですが、

そもそも皆さんの持ち物の中に、

そんなに奥行きが必要なものがあるでしょうか?

(布団ぐらいではないでしょうか)

 

かといって、

奥行きをうまく利用するのも

なかなか難しいものです。

手前になにか置いてしまうと、

奥の物を取ろうとした時に、

いちいちのけないといけないからです。

 

また、奥に何を置いてあるのか

忘れてしまうこともあるでしょうし、

いちいち取り出すぐらいなら、

買ったほうが早いとなり

買うとなれば出費が増えたり・・・

同じ物がまた増えたり・・・

そして置く場所にまた困ったり・・・

という負のスパイラルに

陥りやすくなってしまいます。

 

 

他方、後者の収納は、

奥行きが浅くなるため、

手前になにかを置くことが出来ないし、

幅が2倍になったということは、

前者の収納の2倍多く、

物を陳列することができるようになります。

 

 

高さを有効利用するという考え

 

 

さらに、収納で大事なことは、

天井までの高さを、

いかに無駄なく使うかということです。

 

天井高が2m40cmだとしたら、

棚を2枚設置し、

1段あたり80cmのスペースにするのか?

棚をもう3枚増やして5枚し、

1段あたり40cmのスペースにするのか?では、

収納力に圧倒的な差が出るのは、

一目瞭然ですからね。

 

これを具体的に計算してみると、

78cm×3段=234cm

169cm×6段=1014cm

と最大で4.33倍も収納力に差が出てしまう

というわけです。

 

 

このようにつくり方さえ分かっていれば、

無駄にコストを上げなくとも、

たくさんモノが置け、

片付けしやすく、また管理しやすい

収納をつくることができるようになります。

 

ということで、

収納もただ単純にたくさんつくれば

それでいいわけではなく用途に合わせて

奥行や棚の枚数などを調整することを

覚えておいていただければと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。